ずいぶんとご無沙汰しておりましたカミツレです。
ワクワクする宮司のドイツ滞在記の隙間に少しだけ私が入り込むことを許してください。
突然ですがこれが巫女カミツレ最後の記事です。
大学1年の冬からコロナ禍を入れて6年、学業の合間に御奉仕に上がったり、ちょろちょろとつれづれを書いていましたがこの卵なのかヒヨコなのかよくわからないが鶏ではないことは明らかなカミツレ、いよいよ社会に出ることになりました。
ここ2年はどうしても学業の方が忙しく、なかなか御奉仕することがかないませんでしたが、久しぶりに神社を訪ね、宮司をはじめ一緒に御奉仕してきた方々と会うことができました。
今こうして書いているつれづれは宮司から最後に書かないかと前々からお話がありましたが、何を書こうかとここまで来てしまいました。
今の境内の写真を入れたらというお話もありましたが、このところ日々の神社の様子が移り行く様を見ていなかった私がそのことを書くのもなんだかしっくり来ないなと思ったのでいつもより拙い、読みにくい文章になってしまうかもしれませんが言葉が降ってくるままに昔の写真を挟みつつ、私の神社での思い出を振り返って行ってみようと思います。
既に前置きが長々しく、目が疲れるかもしれませんが、どうか最後までお付き合いいただけると幸いです。

初めて私が天祖神社を訪ねたのは大学1年の例祭のお手伝い、巫女として御奉仕に上がったのは大学1年生の冬でした。巫女装束に少なからず憧れを抱いていた私にとって助勤のお話自体が宝くじのようなものでした。このお話を持ってきてくれたYくんには本当に感謝しなければいけません。
年末に言葉遣いに関することや装束のことについて説明を受けたあと、元旦に初めて着装、ぶっつけ本番いきなりの授与所対応というある意味獅子の子落としのような愛情ある指導を受けたのだと思います。3日目あたりに数多い助勤の中で私が御祈祷を受ける方の手水の案内を任されたこと、初めて千早を身につけることができて嬉しく思ったことを覚えています。
その後1年コロナ禍を挟み、私自身も都合でこの間は御奉仕に上がることができませんでした。それでも常勤にならないかと声をかけていただき、休日に御奉仕に上がることが多くなりました。授与所だけでなく、御祈祷の御奉仕や神楽舞も教えていただき、一年通しての神社の移り変わりを知ることができました。気がつけば口に出したこともない祓詞をそらで言えるようになっていました。
常勤になってからはより色々な世代の方々、異なる考えを持つ方々と触れ合う機会も増えたように思います。神社には毎日様々な人が訪れます。毎朝お参りをされてから出勤される方、受験や試験が近いのか通学前にお参りに来る学生さんといった地元の方、新しく家族が増える方やお宮参りに七五三と人生の節目にお参りにいらっしゃる方、悩みを抱えていらっしゃる方もいらっしゃいました。その時その時で100%参拝された方に満足していただけるようなことができたとは思いませんが、一歩たりともお母さんから離れたくないはずの3歳の子が泣きながらも嫌がらずに私の手を握って神殿に上がってくれたり、ご自身やご家族のことで不安に思うことがある方が事情を話してくださったりと少しは参拝される方と神様をつなぐ巫女として参拝される方に寄り添うことができていたのかなと思います。

私が今後、白衣と緋袴を身につけることはないと思いますが、仕事柄今後は別の白衣を着ることになります。異なる仕事ではありますがどのような仕事でも人を大切にする、思いやるという過程が必ずあることは確かなのではないかと思います。社会では何よりも結果が求められるといった話を進路について考えるようになる中学生あたりからよく聞くようになりました。しかし、より高度な教養を身につけるための勉学に合わせて大学を受けるための勉強も行う高校。そして教育機関というよりは研究機関という色が強く、研究を行い何かしらの結果を出さなければならない大学および大学院。どの年代においても結果を出すに至るまで関わった人たちのことを考えると結果が全てだというような考えに至ることはありませんでした。どこに身を置くにしても自分以外の人が関わる限り、人を大切に、思いやるという過程は軽んじるべきものではないのだと思います。私は着る白衣が変わってもこのことを忘れない大人でありつづけたいと思います。
最後になりましたが、宮司をはじめとする神社のみなさま、共に御奉仕に上がった先輩、同期、後輩巫女と助勤のみなさま、氏子崇敬者のみなさま、そしてたまーに上がるこのつれづれに目を通してくださっていたみなさまに心から感謝申し上げます。
境内の桜餅のような八重桜が咲きはじめました。満開まではもう少しかかると思いますが、ちらほらと咲いている葉付きの八重桜はより桜餅のようにも見えて面白いかと思いますので、近くにお立寄りの際はぜひときわ台天祖神社へご参拝ください。

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